新築
片流れ屋根のモダンな家 エリア:
構造:木造2階建/敷地面積:86.94坪/1階面積:21.79坪/2階面積:15.65坪
構造:木造2階建/敷地面積:86.94坪/1階面積:21.79坪/2階面積:15.65坪
STORY
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目的に即した屋根の形。
シンプルかつ充実した間取り。
そして、安心して暮らせるプライバシー対策。
まさしく「暮らしという機能」を考え抜いた注文住宅である。
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一つの屋根面を一方向に傾ける形式を、片流れ屋根という。この住まいの屋根がそれにあたる。
片流れ屋根のメリットは、第一に、複雑な形状の屋根に比べてコストをおさえられること。
次に、太陽光発電パネルを設置しやすく、設置面積も広くできることが上げられる。
この住まいでも太陽光発電パネルを設置する予定があり、南側に傾く片流れ屋根が選ばれた。
目的に即したシンプルな屋根は、住まいのコンセプトをそのまま表しているようだ。
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この住まいの中でひときわ目に付くのが、リビングの東側壁面に取り付けられた、2間幅の吊り戸棚。
立った目線の高さにある黒いボックスにナラ材の引き戸が5枚、横長の市松模様を浮かび上がらせている。
吊り戸棚の下は造り付けカウンターの書斎になっており、子どもの勉強コーナーやパソコンコーナーなど多目的に使える。
そのため、吊り戸棚は飾り棚兼書架として活躍している。
このようにデザイン性と機能を兼ね備えた仕掛けが、実は住まい全体をグレードアップさせる大事な鍵となる。
真に上質なデザインのお手本といえるだろう。
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リビング東側の大きな窓からは、目の前の公園と、その向こうに八ヶ岳の絶景が見える。天気のいい日にウッドデッキに出れば、さらに気持いいことこの上ない。ただし、外からの視線はどうしても気になる。
そこでウッドデッキの南側に壁を立ち上げ、目隠しにした。これで、何の気兼ねもなく外部空間を楽しめるウッドデッキとなった。
ちなみに、この壁がリビング上部の小屋根を覆うことで、建物全体の外観をシンプルに見せることに成功している。一石二鳥とは、このことだ。
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この住まいの1階は、中央の対面式キッチンを中心に組み立てられており、目の前のダイニングはもちろん、南側のリビングや東側の和室、北側の玄関ホールまですべて見渡すことができる。
キッチン脇のダイニングに座れば、床レベルを30センチ高くした和室からの目線とちょうど合うから、来客が多い時にはダイニングと和室を両方使えば、居心地抜群のパーティスペースにもなる。
また、東側に配した階段を上り下りする際には、窓から目の前の公園や八ヶ岳の眺望を楽しむことができる。
“機能的空間”というと効率一辺倒に聞こえるかもしれないが、本来は、この住まいのように使い勝手と気持よさを兼ね備えた空間こそ“機能的”とよぶべきではないだろうか。
そんな思いを抱かせる、シンプルモダンな住まいなのだ。